大学院留学断念記

人文系のアメリカ大学院留学を諦めました。

【2020.10.15修正】イギリスPh.D. の学費について

こちらの記事は、2020年10月14日に一度公開したものをいったん取り下げ、内容を修正したものになります。

 

大学院留学を目指すにあたって一番不安なことは、やはりカネです。「海外大学院では授業料免除どころか給料までもらえる!」、「金がないならむしろ留学しよう!」というフレーズはよく見かけますが、出願前でいろいろ準備している今でも「本当か?」と疑ってかかっています。博士課程まで学生が自腹で生活することが当たり前な日本で育つと、こういう文句を見た時に疑ってしまうのも無理はありません。それに、「海外」と一括りにするのは考えもので、アメリカとイギリスではしくみが全然違います。私はイギリスPh.D. の出願も考えているので、この機会に調べてみました。

 

 

年間授業料(Fees)と生活費

この記事では、私が今のところ出願を考えているイギリスPh.D. の3校の授業料を載せています。自分の行きたい研究科のFull-time Studentで、さらにEU圏外の学生、Ph.D. 課程の授業料です。自国出身の学生と外国出身の留学生とでお金に差をつけるのはよくあることで、アメリカでは出願料(Application Fee)が留学生の方が高いことがあります。また、アメリカの州立大学の学部ではその州出身の学生と州外出身の学生とで授業料に違いがあることも。

ここからは£(ポンド)と一緒に、わかりやすくするために日本円も書いています(£1.00 = 135円)。また、平均的な年間の生活費も公開している大学はそちらも載せました。

 

 
年間授業料
年間生活費(max)
合計
£
£
£
A大学
17,300
2,335,500
14,000
1,890,000
31,300
4,225,500
B大学
15,700
2,119,500
不明
C大学
17,700
2,389,500
12,000
1,620,000
29,700
4,009,500

 

調べた3大学はいずれも国公立大学で、授業料だけで日本円にして200万円を軽く超えます!日本の私立大学の学部の授業料がだいたい年間100万円のはずなので、それの2倍以上ということになりますね(それでも日本の私大医学部よりは安い)。ひやぁー恐ろしい。

Graduate Teaching Assistant (GTA) について

この高額な学費と生活費をどうやりくりするかについては、ネットだけで得られる情報が少なかったため修正前の記事では不正確な情報をお伝えしてしまいました。ここからは現在イギリスの大学院でPh.D. 学生をされている日本人の方にお聞きした情報と、自分で調べた情報をもとにまとめています。

まず、費用を工面する方法は4つ考えられます。

  • 全額自腹
  • Graduate Teaching Assistant (GTA)
  • PIの研究費で雇ってもらう
  • 日本/イギリス/大学独自の奨学金

その中で、イギリス独自ともいえるGTAについて調べてみました。GTAの応募はPh.D. の出願とは別のプロセスを踏んで行われます。GTAUK Research and Innovation という団体が出すもので、出願とは別に大学経由で応募する必要があります。これによると2020-2021年の stipend は年£15,285(=2,063,475円)で、実際にこの金額がもらえるのではなくこれを参考*1各大学が支給金額を決め、大学が学生に支給する形になります。そのため、大学側にお金がないとGTAを支給できる学生の枠も減ります。この金額をどう見るかは人それぞれですし、イギリスも住む地域によって生活費が大きく異なるので一概にはなんとも言えません。一応上の表のA大学とC大学の見積もりではこれで生活費がカバーできることになりますが、あくまで推定なので。さらにこの年間200万円とは別に、GTAでは学費も支給されます。ただし、ここでいう「学費」はイギリス出身の学生の学費を指します。たとえば、上のA大学のイギリス人学生の学費は同じ条件で£4,407なので、この金額が先ほどの約£15,000とは別に支給されます。なので、A大学に進学した日本人がGTAに通った場合、学費として払うのは差額の£10,600(=1,431,000円)くらいになります。この金額を自腹なり日本からの奨学金なりで工面すればいいことになります。

GTAは仕事に対する給料なので、年トータルで170時間(~200時間)の仕事を任せられます。テストの採点や試験監督など、その内容は多岐にわたり、負担もまちまちだそうです。

 

イギリスのPh.D. 事情についてはアメリカと比べて情報が少なく、この記事を執筆するにあたっては日本人の先輩に大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

*1:年£15,285というのは最低賃金みたいなものです。