人文系の大学院留学

…を目指して断念した人のつぶやき。

接続詞andの読み解き方

少し前に、英文解釈の方法について書きました。

studyabroad.hateblo.jp

この記事では、それに関連して接続詞andについて語りたいと思います。なぜそんなことを思い立ったのかというと、先日TOEFLのReadingの問題を解いていて、andが大量発生していて非常に読みづらい英文に遭遇したからです。andは言うまでもなく英語の接続詞の一つですが、「何と何を接続しているのか」を考えることは英文解釈において非常に重要です。この記事では、andの前後で何が結ばれているのかを見つける方法を伝授します。

接続詞andのはたらき

数ある接続詞の中でも、and/or/butのことを「等位接続詞」といいます。*1読んで字のごとく、「しい地にあるものをつなぐ接続詞」です。ここでいう「地位」というのは、文法的に同じ性質を持っているということです。たとえば、名詞と名詞、形容詞と形容詞のような感じです。"apples and bananas" や "old but beautiful" のような単純なものばかりなら誰も苦しまないのですが、実際の英文に出てくるものはそんなものだけとは限りません。ここからは、TOEFLのReadingで出てきた英文を改変したものを例に出して見ていきます。

何と何をつないでいるか?

一番簡単な例を出します。

Icebergs are formed by glaciers and move slowly toward the sea.

この下線を引いたandは何と何をつないでいるでしょうか。普段サーっと英文を読む時はそんなことまで考える必要はないのですが、正確に理解することが求められている場合はしっかり考える必要があります。この時にオススメのテクニックが、andの直後にある語に注目することです。この文の場合、andの直後に "move" という動詞が来ています。さらに踏み込むと、動詞の現在形で、三人称単数の s がついていないことからこの動詞の主語は複数であることがわかります。ここでandの前を見ると、主語になりそうな名詞で複数形になっているものとして文頭の "icebergs" があります。また、主語が複数形の時に使える現在形のbe動詞 "are" があることにも気付きます。ここで、真ん中のandが "are" と "move" を接続していることがわかります。両者が同じ地位にあることがわかるでしょうか? "are" も "move" も動詞の現在形かつ主語に複数形をとりますよね。元の英文を図式化すると下のようになります。

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日本語でも図式化しておきましょう。

氷山は次の2点を満たす;

1. 氷河によって形成される

2. 海に向かってゆっくり動く

接続詞andが何と何を接続しているかを知るためのステップは、andの直後の語を見て→同じ文法的性質を持つ語をandの前から探す です。

練習問題

それでは、同じやり方を使って英文を解釈していきましょう。

The ice shelf cores were long enough to penetrate through glacial ice and to continue into the bubble-free ice.

さっきと同じようにandの直後を見てみると、"to continue" というto不定詞が来ています。なので、それと同じ見た目をしているto不定詞をandの前から探していきます。すると、ドンピシャでありましたね。"to penetrate" です。

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つまりこの "to continue" は元をたどるとlong enoughと関係があるのです。決して「~するために」などと訳してはいけません。

棚氷の核は以下の2点のことをするのに十分な長さである;

1. 氷河の氷を貫通する

2. 泡のない氷になるまで留まる

 

次の問題。

Recent expeditions have taken ice samples from green icebergs and ice cores.

いつものようにandの直後を見ると、"ice cores" という名詞の複数形があります。さて、andの前から複数名詞を探すと、"recent expeditions" と "ice samples" と "green icebergs" の3つがあります。「いやこれは "green icebergs" でしょ」と思った方、他の2つではない理由を言葉で説明できますか?(もちろん "green icebergs" で合ってます)高校生になんで "ice samples" じゃないのか聞かれて、答えられますか?

まず最初の選択肢、"recent expeditions" から検討していきましょう。もしこれと "ice cores" が並列だった場合、「最近の探検隊」と「氷の核」がともにhave takenの主語になります。「氷の核が氷の標本を採ってくる」?んな馬鹿な。というわけでこれは消去。

次、"ice samples"。これと "ice cores" が並列だった場合、今度はこの2つがhave takenの目的語(~を)になります。つまり、「最近の探検隊は氷の標本と氷の核を採ってきた」となるはず。日本語としては何もおかしくないですが、もしそういうふうに接続したいのであれば、普通は "~ have taken ice samples and ice cores from ~" のようになるはずです。並列関係にある語は基本的に近い位置に置くのが原則です。

というわけで、残った "green icebergs" が正解です。

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日本語で図式化すると、

最近の探検隊は次の2つから氷の標本を採取した;

1. 緑色の氷山

2. 氷の核

となります。

 

最後は今までの総まとめです。

These icebergs drift in the currents and wind systems and can be found scattered among less colorful icebergs.

一文にandが2つ出てきましたが、冷静に1つずつ処理していきましょう。最初のandですが、直後に先ほどと同様 "wind systems" という複数名詞があります。そのandの前から複数名詞を探していくと、"these icebergs" と "the currents" の2つがあります。もし前者と "wind systems" が並列だったとすると、「これらの氷山と風の動きが海流の中を漂っている」となり、さすがにおかしいですね。というわけで、前半部分をまとめると

これらの氷山は次の2点の中を漂っている;

1. 海流

2. 風の動き

"current" は形容詞「現在の」ではなくて、名詞「流れ」です。 s がついているので形容詞ではないことはすぐに気付くでしょう。

さて後半のandの直後を見ると、"can be" という現在形の助動詞が来ています。ところがこのandの前には現在形の助動詞がないので、範囲を広げて現在形の動詞を探してみます。すると、 "drift" が見つかります。つまり、"drift" と "can be" が並列関係にあって、どちらも主語は "these icebergs" になります。

これらの氷河は以下の2点を満たしている;

1. ~の中を漂う

2. カラフルではない氷山の間で散らばって見つかる

全体の構造を俯瞰すると、

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となります。

まとめ

もう一度おさらいすると、接続詞のandを見つけたら最初に直後の語を確認し、その語と同じ文法的性質を持つ語をandの前から探す が原則です。もし候補がたくさんあったら、一つずつ当てはめて消去していきましょう。この時、並列関係にある語句はなるべく近いところに置くという英語の原則も知っておくと便利です。

*1:ちなみにthoughやbecauseのことは「従位接続詞」といいます。