人文系の大学院留学

…を目指して断念した人のつぶやき。

英単語の語源の調べ方

9月に入ってから本論を書き始めた修論、結構書くのが楽しくなってきて今のところ順調です。次の進捗報告でこき下ろされなければいいなぁー。

さて、最近Twitterで「未知の単語に出会った時は、意味だけでなく語源まで調べる」という趣旨のツイートを見かけたので、それを自己流で実践してみることにしました。私はExcelを使っているのですが、その具体的なまとめ方は後に回すとしてまずは語源をどうやって調べるのかについてシェアします。

 

 

語源を調べるツール

私はいつも、Online Etymology Dictionary というサイトを使っています。もちろん全部英語で書かれていますが、簡潔に書かれていてしかも無料なので気に入っています。Google Chrome用の拡張機能もあるので、頻繁に使う人は拡張機能を入れてみてもいいでしょう。ためしに手元のGRE対策用単語帳に載っていた "zealous(熱心な)" という英単語をこれで調べてみると、こんな感じで出てきます。

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まず最初に" "で囲まれているのはこの語が持つ意味で、「zealに満ちていること」となります。いやこれで意味がわかるならzealousなんて単語を調べないんですがw というツッコミはさておき、ここはあくまで語源を知るためと割り切りましょう。

次に出てくる1520sというのは、この語が最初に作品や史料に現れた年代を指しています。日本史だとザビエルが来日する少し前あたりの時代で、この時に初出ということは日本で平安貴族が和歌を詠んでいた時代には存在していなかった単語であることがわかります。

この次からが語源の説明になります。from以降にまず、"Medieval Latin zelosus" とあります。これは、英語の "zealous" の直接の語源が中世ラテン語の "zelosus" であることを示しています。そして、このラテン語は今の英語の "zealous" と同じく、「zealに満ちていること」という意味を持っていたこともわかります。さらにこのラテン語は()の中に書かれているとおり、イタリア語の "zeloso" とスペイン語の "celoso" の語源でもあります。ではこの中世ラテン語の "zelosus" がどこから来たのかというのが、次のfrom以降に書かれています。なんの断りもなく"zelus"と書いてあるので、これは前の語と同じく、中世ラテン語の "zelus" に由来していることを示しています。今回の単語はfromが2個で終わっていますが、語によっては3個も4個も続く場合があります。そういう場合でも、基本的には直前の語の由来を示していると考えてください。つまり、"from A, from B, from C, from D" とあったら、「直接的にはAという言葉が由来である。で、そのAの由来がBで、Bの由来がCで、Cの由来がDである。」ということです。

ここで語源の説明は終了です。ただし、この語の場合、「zealに満ちていること」以外にもう一つの意味があり、それが次に書かれています。基本的にこのサイトで" "で囲まれているものは語義を示していると思っていただいて大丈夫です。この場合、第二の意味は「熱烈な(fervent)」です。その意味が "was earlier in English in jealous (late 14c.)" と書いてあるので、14世紀後期に初出の "jealous" という語の中にすでにあった、ということになります。すでに言葉として存在していたものを別の語でも兼ねてしまおう、というわけです。ちなみにこの "jealous" は同じ言葉だけどフランス語から来ている、と書いてありますね。

このようにたくさんの英単語を調べてみると、英語の中にはラテン語やフランス語から来ているものが非常にたくさんあり、現代英語の由来をそのまま古英語にさかのぼれる語は少数派です。英語がなぜオリジナリティのない言語になってしまったのかについては、下の記事にちょろっと書いていますのでぜひ読んでみてください。

 

studyabroad.hateblo.jp

 

語源を調べると出てくる昔の言語

最後に、この Online Etymology Dictionary を使っていると出てくるfrom以降の言語について少しだけ紹介します。語源学の世界では old → middle → modern という順番で現代に近づいていきますので、たとえばOld Frenchとあったら古フランス語(古仏語)で大昔のフランス語のことを指しています。いつからいつまでをoldとするのかは言語によって異なります。

  • Old/Middle French: 古フランス語/中期フランス語
  • Old Norse: 古ノルド語(オールドノース)。現在のスカンディナヴィア半島付近に存在していた言語。
  • Germanic: ゲルマン系の言語の総称。オランダ語、ドイツ語など。
  • Old/Middle English: 古英語/中英語
  • Old Frisian: 古フリジア語。現在のオランダとドイツの一部で話されているフリジア語の祖先。
  • Old High/Low German: 古高地ドイツ語/古低地ドイツ語。今のドイツ語の方言である高地ドイツ語、低地ドイツ語の祖先。
  • Gothic: ゴート語。かつてヨーロッパ全域で話されていた。
  • Sanskrit: サンスクリット語。古代インドに存在していた言語。

 他にも挙げればきりがありませんが、とりあえずこんなところでやめておきます。

まとめ

「語源が気になる…」となっていても、調べ方についてはなかなか知られていないと思って、まとめてみました。次の記事では、このツールを使って実際にどうやって単語帳を作っているのかシェアします。