人文系の大学院留学

…を目指して断念した人のつぶやき。

英語の発音を良くしたい人へ、フォニックスのすすめ②

前回の記事で、発音トレーニングのフォニックスのことを紹介しようと思ったら子音の説明だけで終わってしまいました(笑)

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というわけで、今回はこれの続きとして、母音の発音とフォニックスの中身について書いていきます。

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【目次】

 

IPA発音記号を覚える(つづき)

母音

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英語の母音は文字で書くとa, e, i, o, uの5種類ですが、それぞれが何通りかの音素を持っているので音としての母音は全部で11種類あります(数え方による)。ちなみに前回の記事で英語の子音の数は世界の言語の中でも標準的と言いましたが、母音の数も同じく標準的です。日本語の母音の数は5種類で、これは少ない方です。

話がそれましたが、このひっくり返った台形の見方を説明します。まず、縦は舌の高さを表します。下にあるものは舌の位置が低く、上にあるものは舌の位置が高いところで発音されます。次に、横は舌の前後の位置です。左側にあるものは口の前の方(歯寄り)で発音されます。右側にあるものは口の後ろの方に舌が引っ込んだ状態で発音されます。たとえば、knowのoの発音記号は/o/で、この表によると舌は中央よりやや高いところにあって、後ろに引っ込んだ状態で発音されることがわかります。ちなみにこの/o/は日本語のオよりも若干舌の位置が高いです。なので、日本語のオを発音しながら舌の位置をちょっと上に上げると/o/が出ます。

こんな感じで発音記号とそれを発音する時の舌の位置と高さを頭にたたきこみます。子音と母音の発音記号を理解し、どのように発音されるかをマスターすることがフォニックスの前提になるので、最初はちょっと大変です。

② 音素を足していく

前回の記事の最初に書きましたが、フォニックスは簡単に言うと「音の足し算」です。正確なフォニックスの説明をすると「文字とそれに対応する発音記号を覚えて規則性をつかむ云々…」ということになるのですが、英語の場合スペルと発音が一致しないことが多々あるのでここでは「発音記号がわかれば未知の単語も正しく発音できる」ことを目標にします。

簡単なものからいきましょう。英語のbagの発音記号は、辞書で調べると[bæɡ]と出てきます。/b/, /æ/, /g/の3種類の音素から成っていることがわかります。この音素を一つ一つばらばらに、"/b/, /æ/, /g/"と何回も繰り返し発音します。そしてそれを最後にまとめて[bæɡ]と発音すると、正しくできるはずです。日本人が特に気を付けなければいけないのは、最後の/g/のあとに母音を入れてしまうこと。発音記号の[bæɡ]の最後に母音の発音記号はないですよね?だからそれに忠実に子音の/g/だけを発音したらそれで終わりです。一度このやり方をたたきこめば、カタカナの「バッグ」とは発音できなくなるはずです。

最初のうちは短い単語から、慣れてきたらだんだん長い単語にしてみてください。発音記号さえ覚えてしまえば足し算することはさほど難しくないので、フォニックスはじめが肝心です。

まとめ+α

前回からの続きでフォニックスを紹介しました。前回の記事でも少し書いたように、英語の音声を聞くだけでは正しい発音はいつまで経っても身につきません。通じるけれど「それっぽい音」でしかないのです。また、ネイティブと一対一で向かい合って口の動きを見ていても、口の中の動きまではなかなか把握できません。そもそも自分の母語の発音をどうやってしているかなんて普通の人は理解していません。日本語の子音フを発音する時に舌がどこにあるか、どうやって音を作っているかを説明できる日本語話者はおそらく言語学者しかいないでしょう。だからこそ、音声を聞きまくるのではなく、発音のしくみを科学的に理解して再現する練習が必要になるのです。

日本の教職課程では、英語の教員免許を取りたい人は英語学の授業を取ることになっていますが、発音のしくみなどを研究する音声学の授業は必須になっていません。正しい英語の発音を知らない日本人の先生に教えられたら、そりゃ発音も悪くなりますよね…。英語の教職課程に音声学が必須になってほしいなぁと思います。