人文系の大学院留学

…を目指して断念した人のつぶやき。

英文校正サービスを使ってみる

だんだんと年末が近づいてきましたね。2020年の本ブログ更新もあと何回あるかな?という感じです。

さて、修論の推敲を重ね、まだすべての部分において納得できているわけではないのですが、先日英文校正サービスに依頼しました。使ったのはオランダに本社があるScribbrという会社です。

 

www.scribbr.com

 

この記事では、なぜ外部のこうしたサービスを使おうと思ったのかというところからまとめていきます。

 

なぜ外部の英文校正サービスを使うのか

非英語母語話者の私たち日本人が英語で論文を書く時、やはり英語が自然になっているのか、ちゃんと言いたいことが伝わる英語になっているか、という不安は尽きません。語彙の選び方が適切かというのはもちろん、冠詞のa/theの使い分けは日本人が最後まで苦労するポイントの一つといってもいいでしょう。そういう時に気軽に聞けるネイティブが近くにいればよいのですが、必ずしもいるとは限りません。特に、50ページをゆうに超えるような学位論文の英語をチェックするのにはものすごい労力と時間がかかります。当然、無償でお願いするのははばかられます*1。私は、たとえ校正者が自分の知らない人であっても、品質がある程度担保されているなら外部に委託しようと考えました。これなら報酬もきちんとした形で払えるし、直接的な知り合いでない以上相手との関係を気にする必要もないからです。

日本の会社か、海外の会社か

英文校正サービスに出すと決めたら、次に考えるべきはどの会社のどんなサービスを使うかです。「英文校正 論文」や thesis proofreading でググると数多くの会社がヒットします。私は冒頭に書いたとおり、海外(オランダ)の会社を使うことにしたのですが、最初から海外の会社を利用することに決めていました。理由は2つあります。 

一つは、海外の会社の方が値段が圧倒的に安いことです。日本と海外の会社をそれぞれ複数社調べてみると、日本の会社だと相場が5円/word に対し、海外の会社では$0.01/word くらいです。海外の会社は、日本のおよそ1/5です。

2つ目は、日本の会社の校正者の質が怪しいということ。通常、日本でも海外でも「英文校正は分野が近い英語のネイティブが担当します」という文言が書かれています。そして「文系から理系まで幅広い分野に対応します」と。しかし、たとえば言語学修士号か博士号をとった英語のネイティブで、日本の会社に勤めている人がどれくらいいるでしょうか?その数は非常に少ないように思います*2。日本の大学で学位をとったなら日本で就職というのもありえるかもしれませんが、日本の大学で修士号か博士号をとる留学生のほとんどが中国や韓国などのアジア圏出身です。私は学部4年間と修士2年間で2つの大学に所属しましたが、英語のネイティブで院生をしている(いた)人は一人も知りません。このことから、日本の会社の言うお決まりのフレーズは信用できないと判断しました。

以上の校正者の質が相対的に高く、値段が安いという理由から、私は海外の会社を10社以上リサーチし*3、Scribbrという会社にたどりつきました。

Scribbrを選んだ理由

校正に出すものが雑誌に投稿するような論文ではなく学位論文で、学生の身分だったことから、値段重視で選びました。だいたいどの会社のサイトにも、語数を入力するだけで見積もりをしてくれる機能があるのでそれを使って調べました。調べている時点では自分の修論がどれくらいの語数になるのかわからなかったので、適当に25,000 wordsで計算しました。安いところだと$300.00、高いところだと$1,000.00近くしました。Scribbrは安い方から2番目くらいだったと記憶しています。語数を1 word単位で数えて計算する会社と、〇〇 words以上は一律$△△としている会社があります。また、一般的に校正終了までの期限を短くすればするほど値段は高くなります。だいたいどこの会社も最長で7日間、最短で24時間で、間に2日間、3日間と入ります。値段を安くしたければ、余裕をもって論文を仕上げて早めに校正に出し、ゆっくり校正してもらうのがいいですね。会社をリサーチする時はほとんど値段しか見ていなかったので、「25,000 words、納期1週間、オプションなし」で見積もりし、会社名と出てきた値段をひたすらメモしていました。

 

まとめ

本記事では英文校正サービスを使う意味や会社の選び方についてまとめました。これを書いている今は納品待ち1日目なので、次の記事で Scribbr での申込手順や校正後のデータを見ながらサービスのレビューをします。

*1:想像してみてください、自分の研究室にいる留学生が100ページくらいの日本語の学位論文を添削してくれと言ってきたらボランティアで引き受けるか、という話です。冷たいと思われるかもしれませんが、私だったら断ります。

*2:そもそも日本の大学院を出て民間就職する人が少ない

*3:余談ですが、海外の英文校正の会社を調べていると scrib という文字列が入るものが多いです。これは英語の describe, subscribe などに含まれているラテン語の動詞 scribere(を書く)を意識しての命名だと思われます。