大学院留学断念記

人文系のアメリカ大学院留学を諦めました。

Excelで文献を管理する方法

本当だったら今ごろ交換留学のためのビザの申請で忙しい予定だったのですが、コロナのせいで留学の準備はほとんど何もできていません。「文系の海外留学!」なんていうタイトルをつけておきながら留学ネタがない。というわけでこの記事では私がふだん行っている文献管理の方法をシェアします!

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【目次】

 

よくある文献管理方法

文献管理の方法として院生や研究者がよく使っているのは、Mendeleyなどのいわゆる「文献管理ソフト」です。これを使うと論文の最後につける参考文献リストを一発で、しかも自分の求めるスタイルで出すことができます。私もこのあとに紹介するExcelでの管理と平行して使っています。ただ、私が他の方々と違うと思うのは、Mendeleyを普段使いにはしていないということ。理由はいくつかあって、

  • 日本語の文献もそれなりに読むので、電子化されていない論文をアップロードできない(=手入力)
  • 無料会員だとアップロードできる文献数に限りがある

ということが主なものです。英語で書かれた論文は(合法か違法かはおいといて)ほとんどがPDF化されていますが、日本語で書かれた論文は電子化されていないのが普通です。電子化されていたとしてもMendeley自体が日本語に対応していないので、フォルダにアップロードしても文字化けして結局手入力しなければなりません。そのため、英語の論文を読むことがデフォルトになっている人にはMendeleyは有用ですが、私のように日本人が日本語で書いた日本語に関する論文を読まないと研究が成り立たない場合には、Mendeleyは少なくとも普段使いには向いていません。ただし、上にも書いたように参考文献リストを出す時にはすごく便利なので、今は修論を書く時に引用した文献だけ登録して最後にリストをバッと出せるようにしています。

Excelで文献リストを作る

Mendeleyを普段使いできないけど、何の論文を読んで何の論文を読んでいないかなどの管理ができないのは困る…。ということで私が思いついたのは、ExcelでMendeleyのフォルダのようなものを作るということ。

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めちゃくちゃちっちゃいですが、これが私が実際に使っているExcelの文献リストです。少し前ですが、日本語のテシマウ(ex. 花瓶を割ってしまった)について調べていた時のリストをスクショしました。一つの文献に1行使い、それぞれについて12個の情報を載せています。英語の論文でも同じように使っています。

列A

一番左の列Aには、読んだか読んでいないかなどが一目でわかる記号を書いています。私が使っている記号は以下のとおりです。

  • O = 読んだ
  • X = 読んだけど面白くなかった、自分の研究に使える論文ではなかった
  • / = 部分的に読んだ(セルにコメント機能で何ページから何ページまで読んだか記入)
  • ? = 読んだけどよくわからなかった
  • * = 読んでみて面白かった、自分の研究に極めて重要
  • 黄色塗りつぶし=今読んでいる
  • オレンジ色塗りつぶし=次に読む or 複写等請求中

Mendeleyとちがって自分の好きなようにカスタマイズできます。

列B:Abbreviation

「誰の何年の論文か」を表しています。論文中に(佐藤 2017)とか書くアレ。

列C:Type

論文タイプです。これはMendeleyから着想を得ました。私がよく読むタイプのものだけリスト機能に入れて登録しています。

  • Journal article(雑誌論文)
  • Book(本)
  • Book chapter(本の章)
  • Others(その他):博士論文や学会の予稿集など

列D:Author(s)

論文の著者。複数人いる時はセルを分けます。そうすることで別の論文で同じ著者を登録する時に変換候補に出てくるようになります。

列E:Year

出版年。これはただの愚痴なんですが、日本語の本で出版年が和暦で書かれているの、まじで勘弁してほしいです。昭和とかわかりません。

列F:Article Title

論文(または本の章)のタイトル。日本語の場合、実際に参考文献リストに書く場合には「」で囲みますが、ここでは囲んでません。論文のタイトル自体に「」が含まれていることが多々あるからです。

列G:Editor(s)

これは論文集に収められた論文をリストに載せる時用。おおもとの本の編者を書きます。

列H:Journal Title / Book Title

雑誌やその論文が収められている本のタイトル。これも実際の参考文献リストでは『』で囲んだり、英語だとイタリックにするものですが、ここではそういったことはしません。

列I:Vol. (Issue)

雑誌論文の場合の巻号です。

列J:Pages

ページ数。

列K:City, 列L:Publisher

出版社とその所在都市。日本語の論文を引用して参考文献リストに書く時は、形式によって出版地を書く場合と書かない場合がありますが、英語ではおそらくどの形式も必須なはず。しかもMassachusettsがアメリカとイギリスにあるという罠まであります(笑)

列M:How to access

実はこれがこのExcel文献リストの一番の見どころでもあります!どうやったらその論文を手に入れることができるのかを略称で示しています。たとえば、オンラインで無料でPDFがダウンロードできる場合は、"Free PDF available"と書いておきます。それで、そのセルにどこのサイトからダウンロードできるか、URLのリンクを貼っておきます。これで、いざ読みたい時に一発でそのサイトに飛ぶことができます。ダウンロードし終わったものは"Free PDF downloaded"に書き換えてリンクを消します。Google Scholarになくても、大学のデータベースから無料でダウンロードできる場合は、「認証が必要」という意味で"KU PDF available"と書いています(KU = Kyoto University)。

日本語の論文のように電子化されておらず、図書館に出向くしかない場合は図書館の蔵書目録から請求記号を調べて、所蔵場所とともに記録。大学の図書館に所蔵されていない文献の場合は、"N/A" (= Not Available)と書いておいて読みたくなった時に複写を請求します。

Excelで文献管理するメリット

読んでいる文献を他人に共有できる

たとえば指導教員と面談する時とかに、「今こんな文献読んでます」というのをデータ1つで送信できます。研究の進捗を報告する時に、どんな文献をどれくらい読んでいてどこまで理解しているのかを伝えられます。

順番を自由に並べ替えできる

Excelの最大の特徴でもある行の並べ替えを使って、自由自在に文献の順番を入れ替えることができます。出版年順に並べ替えることはもちろん、同じような視点から分析した文献をまとめて並べておくこともできます。ちなみに、上にスクショを貼った日本語のテシマウ形の文献リストは、内容ごとにかためています。上の方にはテシマウ形の意味を概観したもの、下にいくにつれて「テシマウ形の前につく動詞の性質」など、細かいものになっています。

まとめ

この記事では、Mendeleyなどの文献管理ソフト以外によるオリジナル文献管理方法を共有しました。Excelなら上限なく文献を管理できるので、無料会員に限界を感じた人にもオススメです。